はじめに
このブログは「Qiita Advent Calendar – Twilioを使うためのコツ、TIPSなど、Twilioのことなら何でも共有しよう!」 9日目の記事になります。
「はじめてのTwilio」について
日本初のTwilioパートナーであるKDDIウェブコミュニケーションズ社に所属されている葛さんが執筆された、株式会社工学社から発売されている日本語初?のTwilio関連本「はじめてのTwilio」
https://www.amazon.co.jp/dp/477752146X
この本ではTwilioのアカウント作成方法から、電話自動応答などTwilioの基本的な活用方法までを、詳しく解説されている初心者向けの本になります。
この本を一通り読み、記載されている内容をやってみることで、Twilioの以下のサービスにふれることができます。
- Super Network
- Phone Numbers
- Elastic SIP Trunking
- Channels APIs
- Programmable Voice
- Programmable SMS
- Services
- Studio
- Tools
- Runtime
- Functions
- Assets
- CLI
- Runtime
Twilioをまだ触っていない人や、基本的な使い方を一通り触りたいという人に対して、とてもオススメできる本です。
「はじめてのTwilio」の内容
実際の本の内容自体をガッツリ書くことはできないので、公開されている目次にそって、各章でどのようなことができるのかを簡単に記載します。ちなみに、私は読書会を通して一通りやってみましたが、意外と知らない機能や新しくなった機能などに触れることができ、Twilioが初めてでない方にもオススメします。
第1章「Twilio」とは
Twilioの歴史や、日本で利用できるTwilioの各種サービスについて解説されています。
基本的には読み物的な章でした。
第2章 初めての「Twilio」
早速、この章から手を動かしながら、Twilioを学んでいきます。
アカウント作成、Bundlesの設定、電話番号の購入と、画面キャプチャと一緒に解説されています。
また、購入した電話番号に、TwiML Binを使って、TwiMLを発行、電話番号に設定を行い、簡易的なIVR(自動応答)を体験することができます。
第3章「Twilio API」を試してみよう!
この章で急にエンジニアっぽいモードへ。Twilio CLIの紹介になります。
唐突に出てきた黒い画面。初心者にはハードル高めなんですが、書いてあるとおりに入力すれば、CLIを使って電話発信やSMS送信をすることができます。
※本書でCLIはこの章だけ使います。
第4章「ブラウザフォン」を作ってみよう!
Twilioにはサーバレス環境「Functions」というものが用意されています。
こちらをガッツリ使って、簡易的なブラウザフォンを作ってみます。ここで作ったブラウザフォンを応用すれば、例えば、既存の顧客管理システムなどに電話を組み込むこともできます。
ブラウザフォン発信のために必要なTwilio側の設定と、Functions側のプログラムを作っていきます。
※読書会では、プログラムを写経するのに量が多く時間が足りなかったので、56ページ以降に記載されているコードは、葛さんが公開されていたgithubをみて利用させていただきましたw
第5章「自動音声応答」を作ってみよう!
Twilioにはノーコードでアプリケーションを作成できるTwilio Studioというサービスがあります。
この章では、Twilio Studioを使って、ノーコードで自動応答システムを作成します。
具体的に自動応答の内容としては、電話を受信→自動応答で転送先選択→電話転送するというもの。
例えば、会社の代表電話にこちらを利用すれば、担当者を番号で選択させて、ケータイに転送などということもでき、リモートワークをしている会社などに、即導入できるようなものが作れます。
第6章「Twilio」の活用法
ここからは、さらに実践的なアプリを作っていく内容になっています。
主にGoogleスプレッドシートを使い、Twilioと他システムとをAPIで連携する活用法が解説されています。
こちらも画面キャプチャ付きで詳しく手順が解説されていました。
6-1 「再配達」受け付けアプリ
Twilio Studioで作ったコールフローで入力された情報を、Googleスプレッドシートに登録するアプリが作れます。まさに再配達受け付けや、ちょっとした電話予約システムなどとして応用できます。
6-2 電話転送アプリ
こちらは、Twilio Studioを使って、ノーコードで、留守番電話・電話転送の仕組みが作れるものです。
電話転送の他に、留守番電話で録音された音声URLをSMSで送信する仕組みが作れます。
どこかのケータイ電話の留守番電話さながらの仕組みがノーコードで作れるのは素晴らしい。
6-3 「SIPソフトフォン」との連携
SIPレジストレーション機能を使って、スマートフォンをSIPソフトフォンとして利用することを体験できます。
簡単に言うと、Twilioで購入した電話番号を使って、手持ちのスマートフォンで受発信できる仕組みが作れます。
例えば、リモートワーク用に個人のケータイとは別に050番号を購入し社員に割当、SIPレジストレーションを使って、スマートフォンやPCのソフトフォンで通話ができるといったことを実現できます。
他にも、Twilioで外国の番号を購入し、それをSIPレジストレーションを使ってソフトフォント連携すれば、自身のケータイ電話が世界中のどこかの国の番号の電話になるといった使い方もできます。
6-4 「Google Sreadsheet」を使った「一斉電話発信」
これはGoogleスプレッドシートに記載した電話番号に対して、一斉に発信するもの。
社員に同じ内容の緊急の連絡をする必要があるときなどに使えそうですね。
6-5 「Google Sreadsheet」を使った「一斉SMS送信」
6-4と同様、Googleスプレッドシートに記載した電話番号に対して、一斉にSMS送信をするもの。
ちなみに、この6-4と6-5については、1発信・1送信あたり、課金が発生するので、試すときは注意が必要。
読書会の実施
私が運営スタッフをしております、TwilioJP-UGで以下の日程で読書会を開催しました。
今回、読書会は本を読むだけでなく、本に記載されているコードを実際に打ち込んで動作させることも行いました。そして会は必ず1時間で終わらせるようにしたいと思っていたので、ボリュームなどを考慮して以下の日程に分けました。実際に読書会の参加者も全員1時間以内で終わっています。
もし、これから本を読まれる方は、読書ペースの参考にいただければと思います。以下、それぞれ、1時間以内で完結できるものになっています。
開催日付 | 内容 | 本書ページ数 |
---|---|---|
2021-08-18(水)20:00 – 21:00 | 第1章「Twilio」とは、第2章初めての「Twilio」 | 8ページ〜30ページ |
2021-09-01(水)20:00 – 21:00 | 第3章「Twilio API」を試してみよう! | 31ページ〜38ページ |
2021-09-15(水)20:00 – 21:00 | 第4章「ブラウザフォン」を作ってみよう! | 40ページ〜63ページ |
2021-09-29(水)20:00 – 21:00 | 第5章「自動音声応答」を作ってみよう! | 64ページ〜78ページ |
2021-10-13(水)20:00 – 21:00 | 第6章「Twilio」の活用法[再配達受付アプリ] | 79ページ〜96ページ |
2021-10-27(水)20:00 – 21:00 | 第6章「Twilio」の活用法[電話転送アプリ] | 97ページ〜107ページ |
2021-11-10(水)20:00 – 21:00 | 第6章「Twilio」の活用法[SIPソフトフォン] | 108ページ〜127ページ |
2021-11-24(水)20:00 – 21:00 | 第6章「Twilio」の活用法[一斉電話発信,SMS送信] | 128ページ〜136ページ |
まとめ
今回取り上げたTwilio本「はじめてのTwilio」はTwilioの基本的な使い方がとてもわかりやすくまとまっており、ちゃんと手を動かして一通りやれば、基礎的な部分については理解できる本だと思います。オススメです。
https://www.amazon.co.jp/dp/477752146X
是非、年末年始などのお休みのお供にどうぞ。
また、読書会に参加いただいた皆様、ありがとうございました!